任意整理において契約書は3つのシーンで出てきます。このページでは任意整理において問題になる3つのシーンで契約書の必要性等について触れたいと思います。

任意整理をする業者との金銭消費貸借契約書はなくても大丈夫

そもそも金銭消費貸借契約書とは

借金をする際には、貸金業者と金銭消費貸借契約書をいうものを取り交わします。

金銭消費貸借とは端的にいえばお金を借りる契約書のことをいい、貸金業者は融資をするにあたってかならず契約書を発行する義務を負っています

これは店頭で契約する場合でも、WEBで契約する場合でも、無人契約機で契約する場合でも必ず発行されています。

任意整理をする際に必要になる?

任意整理をする際に金銭消費貸借契約書が必要かどうかについては必ずしもなくてもかまいません。

しかしもし持っている場合には持参しましょう。契約日が書いているので取引の最初がいつだったかという事の参考資料になります。

任意整理をする弁護士・司法書士との契約書

つぎに出てくる契約書は弁護士・司法書士に依頼する場合の契約書です。

弁護士・司法書士との間にどのような契約が結ばれるのか

弁護士・司法書士とあなたとの間には委任契約が結ばれます。

自己破産や個人再生の場合には、裁判所への申立代行ですが、任意整理の場合には貸金業者との和解交渉の代理ということになります。

契約書は必ず結ばなければならないのか

これについては弁護士は弁護士職務基本規定により、契約書を作成しなければならない義務を負っています。

後の紛争を避ける意味でも、双方どのような義務を負っているかを明確にする意味でも、契約書を作成し保存をしておくべきでしょう。

契約書にはどのような事が記載されているのか

この契約書にはどのような事が記載されているのでしょうか?

債務整理では自己破産・個人再生等と共通したものを使う

まず中身を見ると、裁判所への申立等について書いているので、「任意整理をお願いしているのにどうして破産申し立てが契約書に書いているのですか?」というような質問が多いのですが、債務整理を専門にしているところでは、相談や債務の調査をしてみないと適切な手続きが何になるかわからないので、すべての手続きに柔軟に対応できるように全部の手続きを記載しておくことが通常です。

当事者の表示

契約書の通例なのですが、当事者を甲・乙(第三者が居る場合に丙・丁…と続くのですが)と文中に記載するため、だれが甲なのか、だれが乙なのか、という事を記載しています。

だいたいの契約書ですと、ここの甲の部分が空欄になっていて、名前を手書きで書いてもらうのが通例になっています。

委任内容

何を弁護士・司法書士に依頼するかを記載しています。任意整理用のものであれば任意整理であることを記載したものを用意してくれるでしょうし、先ほどのように全部の手続きが書いてあるような場合があり、その中からチェックボックスでどれを選ぶか記載してくれるようなものもあります。

費用について

いくらの費用がかかるかについての記載をしています。弁護士・司法書士がもらう費用については以下のようなものがります。

相談料

弁護士・司法書士と相談した際に払う相談料です。通常の弁護士・司法書士への相談をすると30分5000円程度の相談料がかかるのが通常ですので、その記載があるかどうか確かめます。

自己破産・個人再生・過払い金請求・任意整理などの債務整理をする場合の相談料は取らない弁護士・司法書士のほうが増えましたね。

着手金

任意整理に着手した時点で支払う費用の事をいいます。

分割にしてくれる弁護士・司法書士のほうが今では多いのですが、ここへの記載は総額の記載になることが通常です。

分割の場合の支払い方法

着手金を分割で支払う場合の分割の方法についての記載をチェックしましょう。1回の支払い金額、振込先などが記載されていることになると思われます。

成功報酬

任意整理に成功した時点で支払う費用の事をいいます。

だいたいの弁護士・司法書士は、債権者との交渉で減額に成功した額の請求をしています。

仮に過払い金請求となった場合には、減額した分との額が違うことに気を付けておきましょう。

実費

依頼者や債権者との連絡用にかかった郵送費用や、過払い金請求となった場合に訴訟になった場合の印紙代等をどのようにするかの実費が請求されます。

郵送等にかかる費用については取らないことがほとんどですが、過払い金請求を訴訟でした場合にかかる印紙代等については請求する弁護士・司法書士がほとんどです。

弁済代行費用

任意整理により債務を支払っていくのを、弁護士・司法書士が代わりに行うことを弁済代行と呼んでおります。これをする場合には、1回の振込につきいくらくらいかかるかについて書かれているかどうかをチェックしましょう。

契約の解除について

どんな場合に契約を解除できるかについて記載されています。主には弁護士・司法書士に対して規定の時期に報酬を支払わない場合であるとか、連絡がとれなくなってしまった場合などです。

紛争になった場合の管轄

もし依頼者と弁護士・司法書士との間で紛争になった場合にどこの裁判所に訴えを提起できるかについて記載がされています。

その他

守秘義務や連絡事項など事務所によってそれぞれのスタイルで契約書が作成されるので、注意してみてみましょう。

契約書の取り交わしはいつするか

契約書の取り交わしは、面談をした時に行います。

電話での依頼をした場合には郵送でやりとりをすることになります。

もし郵送での契約書のやりとりをする場合、委任契約書が弁護士・司法書士の手元にきて、債権者へ受任通知を出すタイミングが若干遅くなります。その間に貸金業者から電話がかかってきた場合には、契約は口頭で成立するので、その時に依頼した弁護士・司法書士の名前を伝えてしまってもOKでしょう。きちんと電話口で聞いておくようにしてください。

業者との和解契約書

任意整理の交渉がされて合意に至ると貸金業者との和解契約が結ばれます。

和解契約とはどのような契約か

和解契約とは当事者に紛争があるときに相互に譲り合って合意をして紛争をやめる契約の事をいいます。

あなたと貸金業者との間には、将来利息・遅延損害金の支払い、支払い条件等について、貸金業者側からは契約通り払ってほしい、あなたの側からは支払いを軽くしてほしいという対立が起きている構造です。

弁護士・司法書士はあなたの代理人として相手から譲歩を引き出して和解をします。

ほとんどのケースでは元金は払う事を譲歩する代わりに、将来の利息・遅延損害金の免除・支払い条件の緩和を相手から譲歩してもらう形ですね。

和解契約書にはどのようなことがかかれているか

では実際にどのような記載がされるのかみていきたいと思います

当事者の表示

任意整理の和解契約書でも当事者の表示がまず最初にされます。

借金の額がいくらになるのか

借金の額がいくらになるのかの総額の記載がされます。引き直し計算後の残元本でほとんどのケースで和解がされますが、端数を切り上げるなどの処理がされる場合はあります。

借金の返済方法

借金をどうやって返済するかについて、いつから・いくら・どこの口座に入金する形で支払うかというようなことの記載がされています。

期限の利益の喪失について

難しい法律用語なので捕捉させていただきますと、いちど和解すると債務があることが確かなのですが、支払いの期日が来るまでは残った額の請求はできません。

たとえば、平成27年4月の段階で、平成27年5月以降にしはらうべきぶんを請求されても、契約書の条項どおり、5月分は5月までは待ってくださいということを主張できますね。

このことを「期限の利益」と呼んでいます。

「期限の利益の喪失」とは、待ってくださいといえなくなって、残った金額を一括請求される状態になるのはどんな場合かについて書かれています。

だいたいの場合は、2回分割の支払いがなかったらという記載が多いのですが、2回分とかかれると金額の問題になったりするので、どういう場合に一括請求されるかは弁護士・司法書士に詳しく聞いておくべきですね。

遅延損害金の支払いについて

期限の利益の喪失と同時に、支払いをしなくなったときからの遅延損害金を何パーセントにするかの条項についても同時に記載されています。

まとめ

任意整理にあたっては契約書が出てくるのが3通りあることを認識していただいた上で、どのような事項についてしっかりとチェックしないといけないかについて、もう一度この記事で復習できるようにブックマークをしておいてください。

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