弁護士・司法書士は貸金業者とどんな風に交渉をしているのでしょうか?その実際の流れをこのページではお伝えします。

受任~交渉に入るまで

まず前提として受任から和解交渉に入るまでの流れについて御伝えします。この点はほかの債務整理手段である自己破産・民事再生でも同じなので、そちらの手続きを利用される方も必見です。

受任通知の送付

まずは、債務整理を引き受けた!ということを弁護士・司法書士が貸金業者につたえるために、「受任通知」というものを送付します。委任状を添付する先生もいらっしゃると思います。

その受任通知には、取引の履歴を開示するようにお願いをしていまう

取引履歴から利息制限法に基づく引き直し計算

利息制限法以上の金利で借入をおこなっていた場合にはその部分は無効となるので、利息制限法に基づく引き直し計算が必要となります。

引き直し計算についての詳しい情報、やり方についてはこちらのページからご覧いただけます。

これを正確におこなって、業者の主張してくる金額と和解を目指す元金額が出そろいます。これをもとに任意整理の場合は交渉に、自己破産・個人再生の場合は債権額として申し立てを行うのです。

貸金業者との交渉の準備

債権額の確定をして貸金業者との交渉のフェーズにうつると、通常はここで依頼者との再度の話あいをします。

いくら払えるかの再度の確認

まず最初におこなうのが、いくら払えるかについての再度の確認です。

弁護士・司法書士に依頼するときには自己破産したくない一心で、月5万払えますので任意整理にしてください!といいてもいざ交渉を始めるときには、月1万が限界ですね…という依頼者は珍しくありません。

これは、消費者金融への返済のためにいろいろ我慢していたものを、支払いをストップしたことによって我慢しなくてよくなって生活水準が上がったために起こることです。

ですので、この確認を怠ると、とてもじゃないけれでも払えない和解案を組まれた!というトラブルになりかねないため任意整理に精通している弁護士・司法書士ならば行うはずです。

もし行われない場合には絶対に自分から申告しておきましょう。でないと最初に月5万払えるといったのは依頼者のほうだ、月2万しか払えないとか後から言われてもそれは虚偽の申告だ…と弁護士・司法書士に言われてしまえばその主張のほうが正しいということになってしまいますから。

もし、和解案に遠く及ばない金額しか支払いができない場合には、この時点で任意整理から自己破産・個人再生への方針の変更が必要となります。

和解案の確認

月々いくら支払えるのか弁護士・司法書士が確認をすると、次は和解案の組み立てをします。

丁寧に仕事をしてくれる弁護士・司法書士なら確認をしてくれるのが、早くはらってしまいたいなら短い期間の和解を組むか、支払いを緩めにできる限り長期の和解を組むのかどちらかになります。

前者はたしかに支払いが早く終わるのですが、もし支払いが早く終わるようなのでしたら、手元でお金をためておいて一括返済をしてしまえばいいので、できる限り後者の和解を組むようにしてもらいましょう。

支払い時期の確認

支払いをいつから始めるかということを弁護士・司法書士と確認をしておきましょう。

任意整理の交渉は後述するように弁護士の書面発送からはじまります。

早いところだと、「今月のうちの支払い開始は無理ですか?」というような事をいってくる業者もいますので、確認をしておきましょう。

いよいよ任意整理の交渉

いよいよ任意整理の交渉が始まります。交渉は弁護士が和解案の提案を業者に書面で提出するところからはじまります。

任意整理案の提案

弁護士・司法書士が貸金業者に和解案の提案を提出します。まれにここまでの間に貸金業者から呈示してくるものもあるのですが、弁護士・司法書士はほぼ読んでいませんし、内容は依頼者に不利なものばかりなので気にする必要もありません。

提案内容としては・借金の総額がいくらか、それをいつから支払うか、月々いくら支払うか、何回支払いを遅延したら期限の利益というものを喪失するか、その時の損害金のパーセントはいくらか、といった事項についてのものです。

以上のような内容を書面で作成をして相手に送るのが通常です。上記の条項については以下のような事を書きます。

借金の総額

借金の総額をいくらにするかの提案です。引き直し計算をした残額を提案します

いつから支払うか

支払い月の確認をします。準備のところで決めた支払い月を提案します。

月々いくら支払うか

月々の支払いをいくらにするかの提案をします。

端数があるような場合には端数を最初に払うか最後にするか、最初の月に毎月の支払い分に上乗せするか等も決めて出します。

期限の利益の喪失

難しい法律用語なので解説いたしますと、30万円を平成27年4月から払ってくれとなった場合に、平成27年5月分を支払いを債権者から求められても、5月分は5月まで待ってくれといえます。この待ってくれといえることを「期限の利益」と呼んでいます。

その喪失ということなので、何をやったら残った債権も一括で支払わなければいけなくなるかということを意味しており、大体の場合は提案段階では2回の支払いと設定することが多いでしょう。

遅延損害金

前述の一括請求となった場合に遅延損害金を何パーセントにするかという提案も行うのであれば行います。こちらからは提案しなくてもいい条項です。

貸金業者からの返答

提案をうけつけた貸金業者は、この書面に対して電話で交渉してきます。先ほどの事項に対してどんな主張をしてくるかというと…

借金の総額について

たとえば、遅延損害金が多数に発生している場合には遅延損害金の一部でも認めてくれというような主張をしてくるので交渉をします。

細かい事項としては、端数をどのように扱うか(切り下げ・切り捨て)などについても交渉をします。

いつから支払うか

たとえば、5月から払うと提案していても、4月からにしてほしいであるとか、なぜかまれに7月からにしてほしいとか(事務処理の関係でしょうかね?)と初回支払い日を伸ばしてくる業者もいますので交渉をします。

月々いくら支払うか

たとえば、月々2000円は少なすぎる、月5000円の支払いで支払い回数を短くしてほしい、といった交渉をしてきます。

期限の利益の喪失

2回の支払いを1回にしてほしいというような業者もおります。

遅延損害金

貸金業者としては多くもらいたいので、高いパーセンテージで交渉してくることもまれにあります。

その他

たとえば強硬な業者であれば、そもそも分割請求を認めないといったような交渉をしてきたり、借入が短期の場合には分割回数を1年未満にしてほしいなどの交渉をしてきます。

任意整理の交渉がまとまれば和解書の作成

任意整理の交渉はだいたいは先の書類での提案に電話での交渉で終わります。

交渉内容がまとまれば後は書面にして和解の取り交わしをします。

自社の様式つかうか、弁護士・司法書士側の様式をつかうかはどちらでもかまわないことになっています。

弁護士・司法書士の任意整理交渉がうまくいくコツ

では弁護士・司法書士の任意整理交渉がうまくいくにはどのようなことが必要でしょうか。

交渉がうまくいくコツ1:債権者の譲れないラインを知っている

任意整理の交渉にあたって、債権者である貸金業者は特に大手はそうなのですが、業務フローが決められていて、その決められた業務フローの中で交渉をしています。

たとえばひと昔前であれば、一括返済ができるのであれば、弁護士側の交渉としては「一括で返済をするので、元金の8割での弁済で」というやり方がありました。

いまではほぼほぼこういう手が通じません。元金減額を期待して和解交渉すると大変なことになりますね。

つまり債権者がどこを譲れてどこを譲れないかしっかり弁護士・司法書士が知っている必要があるのです。

交渉がうまくいくコツ2:交渉がはじまってからの条件変更をしない

たとえばこういう場合です。月々払える金額を5万円に設定しました。でもいざ交渉がはじまってみると払える金額に不安が出てきました、したがって4万円に下げてほしいと弁護士・司法書士に頼む、というようなケースです。

このような事をすると、弁護士・司法書士は再度計算をやり直すために書類の送付からやりなおす事になります。そのような履歴は当然交渉相手である会資金業者の履歴にも残ります。

つまりこの人は返済に不安がある…なんとかして回収せねばならないというような状態に陥りかねません。

こうなると弁護士・司法書士も任意整理の交渉がすごくやりづらくなるので注意が必要なのです。

まとめ

このページでは、弁護士・司法書士が任意整理にあたっての交渉のやり方についてお伝えしてまいりました。

この交渉は弁護士・司法書士の腕の見せ場でもあります。

面倒がって貸金業者のいう通りに短期の和解ばかり認めている弁護士司法書士はちゃんと交渉しなければならない場合にうまくいかない事があります。

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