借金の中には大学や専門学校へいくのに奨学金を借りている場合もありますね。そのような場合に任意整理をするとどうなるかなど、このページでは任意整理と奨学金の関係について網羅します。

奨学金があるときの債務整理はどの手続きがよいのか

奨学金がある場合の債務整理手続きはどの手続きが適しているのでしょうか?

自己破産

自己破産は借金がある場合、原則すべての債務を免除する手続きになります。

奨学金がある場合でもあなたはこれで奨学金を支払わなくてもよくなります。

しかし、奨学金にはほとんどの場合連帯保証人がついています。

あなたが自己破産をすることによって連帯保証人に請求がいくのはやむをえない事なのです(むしろそのようなケースを想定して連帯保証人は設定されています)。

民事再生

民事再生手続きでもすべての債務を圧縮することになるので、奨学金を除いてすることはできません。

あなたに対する請求は圧縮されても連帯保証人に対する請求は自己破産の場合と同様になります。

任意整理

任意整理は、1社1社とする和解手続きです。もちろん奨学金を任意整理することもできますが、その場合には連帯保証人に請求がいきます。

任意整理を利用する場合には、債権者を選んで借金の圧縮をすることができます。

たとえば、奨学金と住宅ローンは別にして任意整理をするというものです。

これにより、連帯保証人に迷惑をかけないで借金を軽くできるので、奨学金を借りておられる方は、任意整理を希望される方が多くいらっしゃいます。

奨学金がある場合常に任意整理ができるか

常に任意整理が使えるわけではない

奨学金があるからといって常に任意整理ができるかというとそういうわけではありません。

任意整理は3年~5年に分けて借金の元金を返済してゆく手続きになります。

もしあなたの収入ではその任意整理分の支払いができない場合には、連帯保証人には迷惑をかけることになりますが、自己破産・個人再生手続きを利用すべきということになります。

Aさんのケース

Aさんは、奨学金で大学卒業後、プログラミング会社に就職します。入社して3年後に激務のため体調を崩し、うつ病と診断され会社を退職、その際に奨学金の返済や生活費にあてるため、銀行のカードローンからの借入を始めるようになります。

体調が少し回復したAさんはアルバイトのコンビニ定員として勤務していましたが、返済がおいつかず、借金が膨らんだため、弁護士に相談します。

奨学金があり実家に仕事をやめたことを内緒にしていたAさんは、任意整理を希望。返済額がどれくらいになりそうか次第できめましょうということになり、債務の調査をまつこととなりました。

弁護士に依頼をして債務の調査の結果、月に4万円の支払いが必要だという事になったのですが、Aさんは月に3万円しか払えないという事に。やはり迷惑はかけられないので、生活を見直すのでそのまま任意整理をしてほしいという事で弁護士は和解をすすめます。

かなり生活費をきりつめた生活をしたAさんは当初は順調に払っていたものの、弟の結婚式や叔父の葬儀など出費がかさむごとに返済が厳しくなり、2回以上の遅延が発生したため、やむなく弁護士と相談。

実家の両親に打ち明けて、月に2万の援助を受けられるようになり、その後は順調に返済をつづけ完済しました。

無理な任意整理で破綻するケースも

Aさんの事例では親が助けてくれたものの、親が助けられる環境になかった場合にはAさんは再度弁護士・司法書士に依頼して自己破産手続きを利用せざるを得なかったと思います。

このように、奨学金があるからといって、安易に任意整理を選択せず、あなたにあった手続きの利用をするためには、任意整理の専門性をもった弁護士・司法書士に相談する必要があります。

奨学金を任意整理する場合には、連帯保証人と一緒に

どうしても任意整理で奨学金を任意整理する場合には、連帯保証人も払えないという場合が想定されます。

この場合には連帯保証人も一緒に任意整理をすることで、返済が軽くなることが考えられます。

活用しよう奨学金の減額返還・返済猶予の制度

ご存知でしたか奨学金には減額して返還する手続きや、最大10年の返済猶予の制度があります。例えば以下の場合がよく考えられるでしょう。

減額返還

1回の返済額を1/2にして返済をさせてもらえる制度です。詳しくは独立行政法人日本学生支援機構のホームページをご覧ください。

返済猶予

経済困難

給与所得者であれば年間300万円以下、それ以外の所得を含む場合には年間所得200万円以下を目安として、1年ごとに願いでることで通算10年を限度に奨学金の返済猶予が認めらえています。

所得証明等必要書類をそろえなければなりませんが、奨学金の返済困難を理由として消費者金融に借金をしてしまうよりかはしっかりこちらで返済猶予を得るようにしましょう。

失業中

失業後6ヶ月以内で、かつ再就職できないような人を対象として、1年ごとに願い出ることで通算10年までは返済を猶予してくれます。

その他

その他にも様々な理由での返済猶予が認められているケースがあるので、詳しくは独立行政法人日本学生支援機構のホームページをご覧ください

その他任意整理と奨学金の関係について

その他よく質問にあがる任意整理と奨学金の話題について、特に信用情報との関連で下記でまとめてみました。

任意整理すると子供が奨学金を借りられない?

任意整理をすると、信用情報機関に異動情報として記録がのこります(いわゆるブラックリスト)。

それによって、自分の子供が奨学金を借りられなくなるのではないか?という質問が多くあります。

信用情報はあくまで人ごとに登録されているので、心配をしなくても借りられますのでご安心ください

任意整理していると子供の奨学金の連帯保証人になれない

あわせて聞かれることの多い質問としては、こちらになります。

これは任意整理によって信用情報にのっている以上、奨学金の連帯保証人にはなれない可能性が高いというのが通常です。

配偶者や他の親類に連帯保証人になってもらうように頼むしかないのが現状です。

奨学金を延滞すると信用情報に登録される?

こちらについては、独立行政法人日本学生支援機構が、公式に信用情報に載せる旨の記載をしていますので、信用情報に登録されてしまうとみてください。

まとめ

このページでは奨学金を借りている方の債務整理の仕方と、返済に関する様々な制度、信用情報との関係についてお伝えしてきました。

奨学金は連帯保証人がついている債務ということで、債務整理にあたっては非常にデリケートな取り扱いが必要となります。

安易に任意整理と決めつけず、どのような方策が練れるか、債務整理に詳しい弁護士・司法書士と相談してみてください。

天音法律事務所
弁護士:人見 勝行


ふづき法律事務所
弁護士:山下重幸


弁護士法人サルート法律事務所


クレアティオ法律事務所
弁護士多田浩章


アヴァンス法務事務所
※司法書士


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