Q:

現在上場企業の会社員で任意整理を考えています。私の会社の場合、退職金が出るのですが、ネットをみていると任意整理をすると退職金があると影響がでるような記載を見たのですが、詳細を教えてくれませんか?

A:

任意整理では退職金には影響は一切しません。おそらく任意整理ではなく他の債務整理手段である自己破産や民事再生の時に手続き時に影響が出ると勘違いされたのではないですか?

任意整理において退職金の有無は関係ない

まずこの項目についての結論を先に述べてしまうと、任意整理をするにあたって退職金の有無、あったとして手続きになにか影響するかといわれると、ないということを確認しておきましょう。

任意整理は貸金業者とあなた(その代理人である弁護士・司法書士)との間で行う、債務額をいくらにするか、いくら月々しはらうか、どのような条件で支払うかについての和解契約です。

後述しますが、自己破産や個人再生では財産を申告しなければならず、その中の一つとして退職金の存在を申告するのですが、任意整理ではどのような財産があるのかということを貸金業者に申告する必要がありません。

退職金が出ることを前提とした任意整理もできる

たとえば、定年まであと1・2年というところで任意整理をするにはちょっと手元がさみしいという場合には、貸金業者に退職金があるので、出たらそこで一括で支払うという事を交渉材料にするような事はありえます。

この場合には相手方から「本当に退職金出るんですか?」と言われることがあるため、退職金規定を見せたことが一度だけありました。

これにより、すごく緩やかな和解案を組んでもらい、定年退職時に退職金で一括弁済ができましたという事例になります。

退職金が問題になるのは自己破産・個人再生

退職金が問題になるのは、自己破産や個人再生の時です。資産として申告しなければならないからです。

退職金がどうして資産になるの?

「どうして退職もしていないのに退職金が資産になるの」?と疑問をお持ちの方も多いはずです。

これを理解するためには、退職金は法律上どのようなものとして扱われているかということをお伝えしなければなりません。

法律の世界では退職金は給料の後払いとしての性質があるとされています。ようするに毎月毎月はいってくるお給料を退職後の老後の備えのために企業が持っておいて退職時に支払いますよ、という考えに基づいていると考えられています。

ただし、懲戒免職とかになった時には退職金が出ないということもありますね。

そのため全額がその対象になるわけではなく、現在退職した場合の1/8が基本的に資産として計上される事になってくるのです。

退職金のような資産がある場合の自己破産・個人再生

自己破産や個人再生では資産がある場合には申立時に資産がある旨の申告と、それを裏付ける資料の提出が必要とされています。

あなたを担当することになる裁判所によって提出する書類等も違うので、詳しくは債務整理専門の弁護士・司法書士にきいてみましょう。

自己破産の時の退職金の扱い

自己破産手続きにおいては退職金を申告します。

申告にあたって退職金規定に関する書類を添付することになります。

場合によっては今退職したらいくらになるかに関する書類を会社の人事の方に提出するようになります。

会社に内緒にしているのならば「資産の相談をするのにファイナンシャルプランナーがほしいっていうんですよー」なんていう嘘をついてみましょう。

もし、退職金が資産に認定されるような場合、たとえば東京地裁管轄では、退職金の1/8の金額が20万円を超える場合には、管財事件になります。

では今すぐ退職して、退職金をうけとってくださいというわけないはなりませんで、資産となる見込みの相当額を現金で用意して、管財人に渡すという処理をします。

個人再生の時の退職金の扱い

個人再生の時には、同じく資産として届出をすることになります。

申告のあたって裏付ける書面も自己破産の場合と同様になります。

個人再生の場合には何が問題になるかというと、返済金額の基準が変わってくる可能性があるということです。

個人再生の手続きの沿うと100万円の弁済でよいとなった場合でも、資産が150万あるとなった場合には、弁済額は100万ではなく150万円になるのです。このことを清算価値保証と呼んでいます。

退職金がない場合

上記では退職金がある場合についてお伝えしましたが、退職金がない場合でも資産はないということを裁判所に申告するために出さなければなりません。

たとえば雇用契約書に退職金無しとかかれているのを、裏付けのために提出を要求してくる裁判所もあるので注意が必要です。

まとめ

このページでは、任意整理では退職金の有無は関係ないこと、退職金がある場合にできる任意整理の作戦をお伝えするとともに、自己破産・個人再生ではどのような手続きになるかという手続きについてお伝えしてきました。

任意整理で退職金がとられてしまうのかという心配は不要であるとともに、法的手続きにはいる場合には注意が必要であることをご認識しただいき、きちんとした処理をしてもらえるよう、債務整理専門の弁護士・司法書士に依頼をするようにしましょう。