Q:

借金の支払いがつらいので、任意整理を考えています。ただ親の相続財産である貯金があります。こちらには手をつけたくないのですが、このような場合にも債務整理できるのでしょうか?

A:

自己破産・個人再生では資産として扱われるので、金額次第では切り崩しが必要になる場合がありますが、任意整理をする場合には影響はないので任意整理の利用をお勧めします。

貯金がある状態で債務整理?

上記の例は過去にこのサイトの管理者が経験した例なのですが、貯金がありながら債務整理する例はよく見られます。

貯金ではないのですが資産を持ちながら債務整理する例としては、株式などを保有されているような方が債務整理するような場合もあてはまりますね。

冒頭の相談例では、父親が亡くなって相続した貯金があるのだけれども、間もなく母親に介護が必要になりそうなので、介護付き老人ホームに入るための費用としてその貯金を使いたいという希望があるものでした。

自己破産・個人再生は使えない?

貯金がある場合自己破産ではどのように扱われるのでしょうか

自己破産手続きの場合

自己破産手続きの場合には、貯金は資産として申告する必要があります。

申告の際に東京地方裁判所の管轄では過去2年分の通帳の取引明細を確認されますので、くれぐれも「引き出しておいて、タンスにしまっておけばよい」という事は考えない事です。

東京地裁管轄では貯金が20万円を超える場合には、少額管財という正式な手続きになります。貯金は引き下ろして債権者への弁済にあてられます。

ただ99万円までは、破産手続きをしても手元でもっておけるように決められています。

貯金の額と債務の額次第では少額管財という手続きになり、20万ほど費用が余計にかかりますが、自己破産手続き自体は可能になりますので、検討の余地はありそうです。

個人再生の場合

個人再生手続きの場合には、貯金を解約してくださいという手続きにはすぐになりません。

ただ、返済をする金額に影響が及ぶ可能性があります。個人再生においては持っている資産の額は最低限支払いをしなければならないという原則があります。

たとえば、債務額が300万円に圧縮しました…という事例で、貯金が500万ある場合には、最低の弁済額は500万円必要ということになるのです。

任意整理の場合

任意整理をする場合には、債権者とあなた(その代理人となる弁護士・司法書士)との話し合いで、弁済をできる額を決めます。

その手続きにおいては、他の裁判所を利用する手続きのように預金を申告しなければならないようなことはないため、貯金が別にあっても手続きができるのです。冒頭の例をもとにもう少し詳しく見てみましょう。

Aさんのケース

Aさんは、父親が自分たちの老後のためにと残した貯金500万円を相続しました。実はAさん相続の前から借金をかかえており返済に苦慮をしていました。

Aさんの母親は年々からだが弱っており、近く介護が必要であることを感じたAさんは、500万円は現金でとっておきながら、自分が抱えた借金を整理できないか、と弁護士に相談することになりました。

もし貯金がなければ、任意整理はギリギリだったので、自己破産や個人再生も検討していただくところだったのですが、任意整理を選択して、どうしても払えない場合には貯金から一部切り崩しましょうということでAさんは弁護士に任意整理を依頼することになりました。

任意整理ではAさんに貯金があることは問われることなく淡々と処理され、無事任意整理が成立し、Aさんは弁済を開始することとなりました、

絶対に債権者に貯金があることを言わない

Aさんのケースでは、貯金があることを債権者に言わなかったので、無事和解ができましたが、私が事務を担当した別のケースで、弁護士に相談をする前に、「500万円分くらい株がありそれを売ってなんとかするから」という事を債権者に教えていたために、和解の席上で「株があるのになんで任意整理に応じなきゃいけないんですか?」と揉めたケースがありました。

債権者に知られないということは、貯金などの財産がある場合には必須ともいえますので、このようなケースで債務整理をされる場合には、いち早く債務整理専門の事務所に依頼をするようにしましょう。

天音法律事務所
弁護士:人見 勝行


ふづき法律事務所
弁護士:山下重幸


弁護士法人サルート法律事務所


クレアティオ法律事務所
弁護士多田浩章


アヴァンス法務事務所
※司法書士


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