債務整理の法律事務所の相談受付をしていた時に時折混じってくるのが「実は法人」という場合です。

某法律事務所で商工ローンの名前が聞こえて瞬間に一旦折り返しにしてもらって私が対応をしていた事があります。

その前の債務整理事務所で中小企業診断士の方がいらっしゃりいろんな事を教えていただいたので、

そこで入ってすぐに簿記2級の資格をとり対応をたくさんさせていただいた経験をお伝えします。

債務整理の事務所に来る法人はほとんどのケースで再生不能

私はとにかく、以下の2点で分けていました

ちなみに数字の参考になるのはTKCの経営指標の速報版です。(別ウインドウで開きます

仕入れのある会社

「仕入れ」が発生する会社に関しては普通に

「粗利」を聞いています。

「粗利」から何が見えるか

「粗利(あらり)」というのは「売上ー仕入れ」

要するに「仕入れ」の額のほうが「売上」が多い状況です。

面談時に弁護士司法書士はここを見ている

面談の際には、「在庫」「売掛金」の総額と「短期借入金」を見ながら、

過去2期分をみくらべてどれくらい悪化しているのか

「短期借入金」の支払いに「現預金」があとどれくらい耐えられるか、

「在庫」の性質(担保に出せるものか?廉価販売でも売れるか?という点)

「売掛金」の内容(いわゆるファクタリングできるか、不良債権化しているか)

債務整理専門の弁護士司法書士は見ています。

「短期借入金」とは1年以内に支払いをしなければならない借金の事をいいます。

これを今持っている現預金であと何ヶ月もつのか?という事を確認します。

財産隠しはすぐに見抜かれます

この時「在庫」がどうなっているのかという事も弁護士司法書士は見ています。

粗利がマイナスなのに「在庫がない」=「在庫今どこへやった?」問題が発生します。

「売掛金」がなくなっている=現預金にしないでどこかに移した、

という事は債務整理を専門にしている弁護士司法書士であれば、

一発で見抜きます。

「仕入れ」のない法人(会社)

「仕入れ」のない法人については会社の「経常利益率」でお伺いします。

なぜ「仕入れ」のない法人は「経常利益率」で見るのか

「仕入れ」がない法人は「仕入れ」の分を「広告宣伝費」・「人件費」・「支払家賃」に使います。

「広告宣伝費」「人件費」等を引いた後の金額が

経常利益がマイナスになっているという場合には、

売上以上にほとんどのケースで「人件費」の比率が高くなっています。

同じく2期分の貸借対照表をもってきていただき、

「短期貸付金」を「現預金」で支払えるか

「売掛金」を現金に変えられるか?を検討します。

営業利益率ではなく経常利益率で見る理由

以上の説明は「営業利益」と「経常利益」を

勘違いいているのではないかな?

という声も飛んできそうですが、

債務整理を検討している法人(会社)は

「支払利息」や「社債」などについても

検討の対象に入れなければならないので、

営業利益ではなく経常利益での判断をします。

債務整理専門の弁護士司法書士はここまで見抜く

債務整理を専門にしている弁護士は、

たとえば給料が支払えていない状況では「未払給与」が増えている

「未払給料」がない場合には、給料の代わりに何を払った?

という問題が発生したります。

なんか肝心な科目お忘れ…ではないです!

もちろん、「支払家賃」・「減価償却」ですね。

賃貸をしている時には「支払家賃」を払っており、

試算として保証金を差し入れているから、それで、

引っ越しをしてしのげばいいんじゃない?

という声が飛んできそうです。

建物を所有している場合には、貸借対照表に土地・建物があり

建物については「減価償却費」が載っており、

2012年頃には「定額法」での計算のほうがいい

というのがほぼ通説になっておりますので、

減価償却がどれくらいされているかで、

「担保に出せるんじゃないの?」

という声が飛んできそうです。

優先順位は低い

これは優先順位としては後です。

なぜなら債務整理を考えている法人のほとんどは、

2、3か月以内の支払いが厳しいか、すでに遅れている、

あるいはすでに土地・建物を担保に入れているような状況です。

ここで、引っ越し・任意売却をしようとしても、

直近の支払いを片付けられる目途が立たない限り

「考えるだけ時間の無駄」という状況になります。

引っ越しや任意売却は企業イメージにかかわり、

貸借対照表の「のれん」の部分が多い会社の場合には、

ここがガクンと落ちてしまう事になりかねません。

できる限り避けるべきだと思っています。

(「のれん」=企業の買収・合併(M&A)の際に発生する、「買収された企業の時価評価純資産」と「買収価額」との差額)

債務整理専門の弁護士司法書士は、法人(会社)の任意整理?or法的整理?の判断をどこでするか

企業の現在の状況が分かった上で、こんどは「短期借入金」の中身と、「代表者」の債務状態を見ます。

「短期借入金」の中身

要は借入を「どこから」「いつまでに」「どのように」しているかです。

どこから

まず借入をどこからしているか?という所を見ます。

端的にいうと、商工ローン・重要取引先があるかどうかです。

後述もしますが、商工ローンからの借り入れをしている場合には、

連帯保証人や担保(SFCGの時代には公正証書もありました)がついているので

任意整理に適さないのです。

また重要取引先に対する借入が大きい場合で、

その対応が必要になる場合も任意整理に適さなくなります。

いつまでに

これは、「支払いが遅れているのかどうか」という所を見ます。

特に人件費の支払いが遅れてしまっているような場合には、

担保に出せる土地・不動産・集合流動物(価値に替えられる在庫)がある、

という極めて稀なケースでしかないのです。

(ちなみに私は在庫の「集合流動物譲渡担保」を成功させて乗り切った優秀な弁護士の例1件しか見ていません)。

どのように

これはお金を借りる時に、

・土地・建物・集合流動物(在庫)に担保をつけているか(抵当権・根抵当権・譲渡担保権)

→ついている場合にはその業者と任意整理をすると、担保に入れている物を取られてしまいます。

・連帯保証人がついているか(親族or取引先等の同業者)

→ついている場合はその業者と任意整理・をすると、連帯保証人に請求

・最近はあまり効かなくなりましたが「公正証書」という書面をとられていないか?

→取られているいる場合には即時に強制執行が入る

という状態なので、こういう債務がある場合には任意整理は難しいのです。

法人(会社の代表者)の債務の状態

法人が借り入れをしている場合には、

代表者個人も同時に借入をしている場合も多くあります。

「法人は生かして代表者だけ破産はできないか?」

という質問もよく受けるのですが、

代表者が破産をすると、株式会社の代表者の地位を一度失う事になっています。

なぜなら、会社と代表者の関係は基本的には「委任契約」と同等のものとみられていて、

民法の規定に従うと、破産をすることにより委任契約が終了(民法653条2号

することと法律で定められているからです。

それに併せて、このような破産手続きは通常裁判所が受け付けてくれません。

任意整理できる債権者・債務状態を確定したら

以上のような基準で「任意整理をする・しない」の債権者の仕分けを行い、

あとは「任意整理」をする事によって生じるデメリット

(特に法人カードが使えなくなること)を総合判断しつつ、

任意整理で、債務額を、今の財務状況の下で支払いができるのか?

という事を判断する事になります。

法人(会社)の任意整理が難しい場合の法的整理はどうするか

任意整理が難しいとなるとあとは法的整理という事になります。

法的整理にはまず清算型と再建型があります。

清算型

事業の継続を断念するような場合には、

会社を畳む方法になります。

1つは破産法に規定をする破産申立をする事

もう1つは商法が規定する「特別清算」の方法によるものです。

法人が会社の場合にはこの特別清算を利用できます。

その他の法人の場合は基本破産申立となります。

再建型

再建型というのは文字通り会社を立て直す方法をとります。

一番強力な手続き方法としては会社更生法による申立を行うことです。

次に「和議法」といわれた法律から、現在の事業再生の実務に沿うように出来上がっている

民事再生法による申立が検討にあがります。

両者の違いは、細かい点は多々ありますが、ざっくりいうと前者は代表者が替わる、後者は変わらない

という点にあります。

任意整理は難しいが法的手続きにも踏み切れない場合のADRという選択肢

それこそ、アイフルが利用して有名になったのですが、

ADRという「裁判外紛争解決手続き」というものを利用して、

債務の圧縮につとめるという方法があります。

まとめ

このページでは、法人(会社)の債務整理について、債務整理を専門とする弁護士司法書士

いったいどんな所を見てどんな判断をしているのか?についてお伝えしました。

法人の債務整理については、下手なところに行くと、「一律に扱う」という事務的な作業をされた結果、

たとえば未払いの従業員に対する債務整理通知も一緒に送ったりなどするして、

従業員が一人もいなくなり再建が出来なくなった…

という事もありますので、手続きは非常に慎重なものになります。

是非、債務整理専門の弁護士司法書士に状況が悪くなる前に

一刻も早く相談をして事態を打開できるようにしましょう。



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