債務整理をするかどうか悩んでいる人の中には「債務整理をするにはきちんと就職をしなければならないのか?」「債務整理をしたら就職できなくなるのでは…」というお悩みの方のいらっしゃるのではないでしょうか。
このページでは、債務整理と就職に関する知識についてお伝えします。

そもそも債務整理とは何か

前提として、そもそも債務整理というのはどのような事をいうのか復習しておきましょう。

債務整理は借金返済に困った場合の手続きの総称

債務整理というのは、借金返済に困ったときにどうにかするための手続きの総称をいいます。

借金に困った場合の対処については、支払いをしなくてよくする自己破産手続き、債務を圧縮して分割払いにしてもらう個人再生手続き、貸金業者と交渉をして楽な支払いにしてもらう任意整理手続きなどがあります。

特に債務整理法というような法律があるわけではなく、それぞれ破産法・民事再生法・民法という法律に基づいたものです。

こういった、借金返済を楽にする手続きを寄せ集めたものを債務整理という言い方をしています。

債務整理をすると就職に影響がでるのか

まず結論から言うと、法律上の影響が出るのは、債務整理をして就職に影響があるとすると、自己破産をする場合の資格を使って仕事をする人たちだけで、その他の場合は法律上は影響がでません。

任意整理をすると就職に影響は出ない

任意整理は前述した通り、貸金業者と個別に民法上の和解契約を結んで支払いを楽にしてもらう手続きです。

この手続きを利用したことによって、就職してはならない…といったような法律は存在しません。

そのため、任意整理をしているからといって就職することに影響することはありません。

ただし、任意整理は和解契約をした後に貸金業者に元本額の返済をしていかなければなりません。

この返済ができない場合には和解契約自体が無理になってしまうので、就職をしていなければ返済ができないので、事実上は就職してからでないと任意整理はできないと見るべきです。

個人再生をしても就職に影響は出ない

個人再生は、民事再生法に基づいて債務を圧縮して分割弁済をしていく手続きです。

自己破産をするときのように、法律に基づく資格制限というものはありません。

ですので、個人再生をしても、これから就職をすることに影響はありません。

しかし、個人再生も手続き後に支払いを継続していくことが前提の手続きです。

ですので、今就職していない、というような場合には、これから就職する予定がないような場合には、個人再生の申し込みができないと考えたほうがいいでしょう。

自己破産をする場合には欠格事由になる

自己破産をする際に申立から手続き終了までの間は「破産者」という身分になります。

この間は、警備員や宅建業など、欠格事由と呼ばれるものが資格にある場合には、その資格を使えなくなります。

どのような資格に欠格事由があるかについては、他人の財産を預かるような資格…と考えてください。

ですので、医師や看護師といった資格の場合には破産者もそのまま仕事に就けますが、警備員は建物をあずかったりしますし、宅建業は個人の不動産を預かりますので、破産者は欠格事由になるということになります。

もし欠格事由にあたるような場合には、資格を利用しない事務作業などの仕事にコンバートしてもらったり、自己破産は利用せずに任意整理を利用するようなことが代替案として取られます。

事実上就職に影響が及ぶ場合はある

以上はあくまで「法律上の話」であって、事実上破産をすると就職に影響する可能性があるところはあるでしょうか。

内定者に探偵をつけるような会社

最近は減ったとはいえ、就職にあたって内定者に探偵をつけるような会社があります。

自己破産をすると官報という国の新聞に掲載されるため、一般人が見る可能性は皆無なのですが、探偵の調査によりバレてしまうことになると、内定が取り消されるようなことはあります。

就職する人にカードを作らせるような場合

従業員に提携している会社のカードを作らせるような場合があります。

このカードにクレジット機能がついている時には、当然のように与信の審査があります。

この与信には信用情報の参照が含まれますので、債務整理をすることによって信用情報に事故情報がある場合(いわゆるブラックリスト)には、カードが作れないことになります。

そのことで債務整理の事実が露見した結果就職自体に影響することは、ごくごくまれですがありません。

債務整理をするにあたって就職をしている必要があるか

ここからは債務整理をするにあたって就職をしている必要があるかについて検討しましょう。

就職をしていないということは収入が無いということですので、借金の返済ができません。

このような場合に債務整理ができないか、ということなのですが、就職をしていない人が債務整理をしてはならないとする法律はありません。

実際職を失って返済ができなくなったので債務整理を検討するということは当然のようにあるのです。

とはいえ、返済をしていくことが前提の個人再生・任意整理は利用することができません。

また、残念ながら一部の弁護士・司法書士は債務整理にあたって分割して費用を払えないような状況にない人は事実上断るようなこともあります。

その場合でも「法テラスの民事扶助を使ってくれないか」ということを聞いてみましょう。

もし、法テラスの民事扶助を利用できるならば、弁護士への費用をいったん立て替えてもらって、月々の支払いを5,000円程度を支払っていけばよいようにしてもらえます。

まとめ

このページでは、債務整理と就職の関係についてお伝えしてきました。

基本的には就職には影響することは少ないということを知っていただいた上で、資格に基づいて仕事をしているような場合でも方法次第では債務整理はできますので、弁護士・司法書士に相談することが望ましいでしょう。